ケアンズの海と青い顔 ~Cairns~
青く澄んだ空と波のない海に、静かな波のBGMが心を傷を癒してくれるケアンズのハズが、
「早いっ!」
離島に向かうボートの水しぶきが身体を打って止まない。
ボート乗り場を離れて15分くらい経過しているだろうか。
あと30分はかかるだろうに、そんなスピードで45分となるとパプアニューギニアまで行けるのでは・・・
投げ出されそうな体はシートベルトがしっかり抑えている。
ふと隣の奥さんを見ていると、乗るときに組んでいた足が解けて、少し前かがみで両手はしっかりと肘掛をつかんでいる。予想以上にボートが早い事に驚いている様子。顔がズブ濡れになっていても肘掛から手を離すことはない。
まるで、ジェットコースターで頂上に向かう時のよう。
「あなたが選んだツアーですけど。。。僕の肘掛が無いんですけど。。。(心の声)」
40分ほど乗船して、無事に目的地“フィッツロイ アイランド”に到着。乗降場でみる砂浜はボートに反して穏やか。数人がカヤックやシュノーケリングを楽しんでいる。
数分後、平常心に戻った奥さんは、
「あれやろう!」とカヤックを指差す。。
2人乗り用カヤックをレンタルし、奥さんを前にして僕は後ろ側に座り挑戦。カヤックは左右のパドルを2人で合わすのが重要で、息がズレるとパドル同士がぶつかる。何度かパドルをぶつけ合いながら"イチ、二"の掛け声で漕ぎ続けていると奥さんが一言。
「カヤックって結構早いのねー。」
「・・・」
後ろで息を切らしている僕にまだ気づいてないようだ。
30分ほど経ちそろそろ疲れ始めたころに小休憩を入れる。
砂浜のレストラン&Barでビールを2本注文した。
やっぱりアサヒビールでしょ!
※後に知ったんですけどオーストラリアのビールはかなり種類が多いみたい。アサヒビールに近いドラフトビールもあるとのこと。
かなり体力が回復したところで、一番の目的のシュノーケリングを体験。
海中は手で掴める距離で魚が泳いでいる。魚はまったく警戒心がない様子。奥さんは魚に夢中でどんどん陸から離れて泳いでいく、僕は水中を撮影しながら、先を泳ぐ奥さんを見失わないように追っかける。
途中、奥さんのレンタルゴーグルのゴムが切れるアクシデントが発生。帰り時間も近くなったことだし、管理事務所まで戻るのも少し遠い距離だったので、僕のゴーグルと交換した。
すると、すぐさま奥さんは魚を追いかけはじめた。僕は見失わないように壊れたゴーグルを手に持ち、顔を水面から出したまま後を追いかけた。
しばらくすると、
「ココすごい!魚たくさんいるよ!」と上機嫌。
「・・・・・(見れないんですけど)」と心の声。
帰り時間ギリギリまでシュノーケリングを満喫した僕たちはまた、ボートの中で激しく揺られながら水しぶきを浴びる。隣には両手で懸命に肘掛をしっかり握るズブ濡れの顔の奥さんがいる。
(2018.8.19「ケアンズ日記」)
〜風景〜